製品版PowerDirector 21 Ultimate以上 + win版:PowerDirector 365以上に搭載
製品版(旧)PowerDirector Ultimate Suite 以上に搭載
PowerDirectorには一部のパッケージ(下記参照)にBCC Beauty Studioという美肌に加工するエフェクトが搭載されており
このエフェクトを使用することで映像の肌部分のみを指定し美肌に加工することができます。
エフェクト:視覚効果について
ここでいうエフェクトは、視覚効果などの特殊効果を指しています。
色調を変えて白黒にしたり光源を光らせて神秘的な視覚演出を行えたり、様々なエフェクトがあります。
実際にこのエフェクトを適用するとこんな感じに肌の質感が滑らかかつ自然に加工されます。
※左:無加工 右:加工
BCC Beauty Studio:美肌エフェクトについて
肌のCG加工と同じ様に、Beauty Studio:エフェクトは2段階の美肌加工プロセスにより
人の顔の肌色のみを識別し「しわ、毛穴、小さな傷」などを自然に除去されるように設計されています。
※2段階の美肌加工プロセス:肌トーンからマットを分離して構築し、肌トーンを滑らかにします。
PowerDirectorでは、特定のプラン/パッケージにのみBCC Beauty Studioというエフェクトが搭載されています。
旧製品では、最上位プラン/パッケージのみでしたが、21からはUltimate / PowerDirector 365にも搭載されていると思います。
※下記BorisFX Restoration & Lightsがそれに該当。予めエフェクトルームにこちらのエフェクトが入っているかどうかをご確認ください。
使用方法|BCC Beauty Studio エフェクト
BCC Beauty StudioはPowerDirectorのエフェクトルームから使用することができます。
『エフェクトルーム』→『BCC Beauty Studio』をエフェクトトラック or 素材に直接ドラッグして個別適用して使用します。
※このエフェクトは従来のPowerDirectorのエフェクトと同様に2つの使用方法がありますが、個別適用向きだと思います。
エフェクトの2つの使用方法
・全体適用:エフェクトトラックに入れて画面全体にエフェクトを掛ける
・個別適用:画像や動画素材に個別適用してその素材だけにエフェクトを掛ける
動画や画像にBCC Beauty Studioを個別適用した場合は
素材を選択→『エフェクト』をクリックするとエフェクトの設定画面が開きます。
プリセット|BCC Beauty Studio
『BCC Beauty Studio:エフェクト』には
4つのプリセットが含まれており、エフェクト設定画面の左下の項目から選ぶことができます。
※エフェクトトラックに挿入した場合は『修正』をクリック / 単体素材に個別適用した場合は、『エフェクト』をクリック
プリセットによって加工の強度が違いますので
自然に加工されるものやイメージに近いものを選んでからパラメータを微調整するのがおすすめです。
No Effect
BCC Beauty Studioエフェクトを適用していない画像です。
各種プリセットを適用することによる加工具合をご確認ください。
プリセット①デフォルト
BCC Beauty Studio:エフェクト適用直後のデフォルトのプリセットです。
プリセットの中でも一番強度の強い加工になります。
プリセット②Slight Smoothing
「わずかな」という意味を持つSlight Smoothing:プリセットです。
プリセットの中でも一番強度の弱い加工になります。
プリセット③Moderate Smoothing
「適度な」という意味を持つModerate Smoothing:プリセットです。
プリセットの中でも中程度の美肌加工になります。
プリセット④Strong Smoothing
「強い」という意味を持つStrong Smoothing:プリセットです。
プリセットの中でもデフォルトの次に強い強度の美肌加工になります。
マニュアル(手動)で補正する方法|BCC Beauty Studio
このエフェクトをプリセットではなくマニュアルで使用する場合には2段階のプロセスで加工を行います。
2段階プロセスの流れ
手順①肌の選択範囲を調整する
手順②各パラメータを調整し肌色を滑らかにする
手順① 肌の選択範囲を調整する
まずは肌の選択(検知)範囲を設定するためにマット(アイソレーションマット)を調節します。
※この調整が甘いと映像全体がボヤけたりするのでしっかり肌部分だけが選択されるように調整します
第1プロセス:アイソレーションマット調節の注意点
BCC Beauty StudioエフェクトはBCC PixelChooserを使用して隔離されたマット/つや消しの表示を生成しますがアイソレーション(分離)マットを作成するときは細心の注意を払ってください。マットのパラメータが適切でない場合、加工を施した際に不自然な画像になってしまう為です。『マット/つや消しの表示』をONにした時に、肌だけが選択/表示されるのが理想です。目、髪、唇などの変化が望まれない領域が選択されないように上手くパラメータを調整して肌だけが選択されるようにする必要があります。
『マット/つや消しの表示』をONにして選択範囲を確認
『マスク/つや消しの表示』にチェックを入れるとエフェクトの適用部分をグレースケールで表示することが可能です。
※黒い部分がスムーズ化の適応されない部分で、白く表示されている部分が美肌加工が強く適応される部分となります
まずは、エフェクトを適用した素材を選択→エフェクトをクリックしてエフェクト設定画面を開きます。
肌部分だけが選択されるようにパラメータを調節していきます。
マスク/マットを調整するパラメータ
・予備的なスムーズ化の量:選択されている部分をスムーズ:滑らかにする値。
・彩度の柔らかさ:色A+色Bで指定した色で選択される彩度の値を拡大または縮小するために使用します
・色合いの柔らかさ:色A+色Bで指定した色で選択される色合いの値を拡大または縮小するために使用します
・ルマの柔らかさ:色A+色Bで指定した色で選択される輝度の値を拡大または縮小するために使用します
・クリップ黒:生成されたマットのシャドウ領域を制御するために使用します
・クリップ白:生成されたマットのハイライト領域を制御するために使用します
・ブラー:生成されたマットを柔らかくし、ぼかします。数値が適切だと柔らかくなり、強すぎるとボケます
・色A:1つ目のキーヤーの色を設定するために使用します
・色B:2つ目のキーヤーの色を設定するために使用します。
※色Aと色Bで設定した色の間がキーヤーとして適応されます
これらのパラメータを使って、肌の部分だけを適用させていきます。
まず、映像に映っている『肌の色の明るい部分』を色Aに設定します。
※色Aをクリック→画面から選択をクリック→プレビュー上で肌の明るい部分をクリック
続いて、同じ要領で色Bに肌色の暗い部分を選択します。
すると色Aと色Bで選択した色の間が『キーヤーの基準』として適応されます。
次に、『マスク/つや消しの表示』にチェックをいれると、キーヤーの適応部分がグレースケールで表示されるようになります。
※これはマット調節後にチェックを外します。
そして、『彩度の柔らかさ』『色合いの柔らかさ』『ルマの柔らかさ』『クリップ黒(白)』『ブラー』の数値を調節して
より自然に肌の色だけが適応されるように調整します。
ちょっとホラーっぽいですけど、これでほぼ肌だけが選択されている状態になります。
そして『マスク/つや消しの表示』のチェックを外すと、白い部分だけに肌加工が入っているのが確認できます。
手順②各パラメータを調整し肌色を滑らかにする
手順①で指定した肌範囲に対して滑らかにする下記のパラメータを使って美肌加工の強度を調整します。
マスク/マットを調整するパラメータ
Master Amount:メインのスムージング:滑らか強度をコントロールする値です
※100と200の間の設定は、以下項目のアクティブなスムージングレベルのスムージング効果を適応します
スムーズ最小ディテール:素材の最小のディテールにのみ影響します。値を大きくすることで小さいシワなどが目立たなくなります。
スムーズ小ディテール:最小ピクセルサイズの2倍のピクセル配列に影響します。
スムーズ中ディテール:小ピクセルサイズの2倍のピクセル配列に影響します。
スムーズ大ディテール:中ピクセルの2倍のピクセル配列に影響します。
コントラストを維持:フィルタリング結果のコントラストが失われないようにします。
※値を大きくするほど、フィルタリング結果のコントラストがより多く維持されます
ディテールスケール:スムージングに使用するピクセル配列のサイズを変更します。
※ソースによっては、これを使用して肌色の不要な輝きを減らすことができます
総括:『BCC Beauty Studio』エフェクトの美肌加工で肌を盛る動画編集の方法|PD用
肌だけを選択して美肌加工できるのでこのエフェクトはかなり有能だと思います。
こちらのエフェクトは最新のPowerDirector 21ならUltimate以上 / 365に搭載しているエフェクトになります。
※旧バージョンはUltimate Suite / Director Suite 365
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