製品版PowerDirector Ultimate以上 / Win版 365に対応
この記事では『PowerDirector Ultimate~』『win版:PowerDirector 365』プラン以上に搭載されている
『BCC Grunge』エフェクトの使い方に加えて、文字をグランジ加工する方法などを解説します。
※エフェクトルーム→サードパーティ
PowerDirectorのテキスト編集機能について
エフェクト:視覚効果について
ここでいうエフェクトは、視覚効果などの特殊効果を指しています。
色調を変えて白黒にしたり光源を光らせて神秘的な視覚演出を行えたり、様々なエフェクトがあります。
BCC Grunge 概要
「BCC Grunge』は、内蔵されているテクスチャ画像と様々な合成パラメータを組み合わせることで
タイトルや背景素材に対して「汚れ、劣化、引き裂き、溶解」のような独特の外観を合成することができます。
Grunge / グランジについて
グランジとは、『汚れた』や『色落ち』『欠け』などの質感のことを指します。
動画編集においては、映像やテキストにグランジテクスチャの質感を再現したりして使用します。
一例ですがグラデーションをかけたテキストにグランジエフェクトを合成することで
下記のような映画的テキストを作成することもできます。
エフェクトの使用方法|BCC Grunge
BCC GrungeはPowerDirectorのエフェクトルームから使用することができます。
『エフェクトルーム』→『BCC Grunge』をタイムラインのエフェクトトラック or 素材に挿入して使用します。
※このエフェクトは従来のPowerDirectorのエフェクトと同様に2つの使用方法があります。
※例:テキスト素材単体に個別適用
※エフェクトトラックを使用した場合
このエフェクトは、テキストに使用する際は個別適用し、
画面全体に掛けたい場合はエフェクトトラックに入れて使用するのがおすすめです。
『エフェクトトラック』を追加する場合は
『画面下部:タイムラインウィンドウ』にある『トラックを追加』ボタンをクリックします。
すると『トラックマネージャー』が起動しますので、エフェクトトラックに追加数である『1』を入力し
お好みのトラック位置を指定してOKを押すことで『エフェクトトラック』を追加できます。
エフェクトの2つの使用方法
・全体適用:エフェクトトラックに入れて画面全体にエフェクトを掛ける
・個別適用:テキストなどの素材に個別適用してその素材だけにエフェクトを掛ける
このエフェクトは映像全体に掛けたい場合は、エフェクトトラックに挿入して使用し
素材(画像、動画、テキスト)だけに個別で適用したい場合は、素材に直接ドラッグして個別適用して使用します。
エフェクトトラックにBCC Grungeを挿入した場合は、『修正』をクリックするとエフェクトの設定画面が開きます。
※素材に個別適用した場合は、素材を選択後→エフェクトをクリック
エフェクトの設定|各種パラメータ
各種パラメータはエフェクトの設定画面から調整可能です。
※エフェクトトラックに挿入したエフェクトは『修正』をクリック
※素材に個別適用した場合は、素材を選択後→エフェクトをクリック
主なパラメータ
Texture:グランジ合成用のテクスチャを選択する項目。
テクスチャを使用:チェックを入れることでTextureで指定した画像が適用されます。
ミックスを適用:選択した適用モードと通常モードの間のブレンドの量を指定する値。0でノーマル合成。
適用モード:合成モードを指定する項目。合成モードをノーマル以外に変更した場合はミックスを適用の値が大きいほど合成強度が強くなります。
色 ON:下記で指定する色のパラメータが有効になります。
濃淡の量:濃淡色で指定した値の強度を設定する値。値が大きいほど色の強度が強くなります。
濃淡色:カラーを指定する項目。
X軸方向スケール:テクスチャ画像の大きさを指定する値。20がデフォルト。
位置XY:テクスチャの中心点を指定する項目。
エロージョン ON:汚れ部分を侵食させるパラメータが有効になります。
量:侵食の量を指定する値。値が大きくなるほど侵食強度が強くなり、200で完全に侵食されます。
スムーズさ:侵食領域と非侵食領域の間の滑らかさを指定する値。
なめらかさ:侵食パターンを柔らかくして、画像全体の侵食パターンの変化をより滑らかにします。
フリッカー ON:画面のちらつきが有効になるパラメータです。
量:ちらつきの強度を指定する値。値が大きいほど強くちらつきます。※強すぎるちらつきにはご注意ください。
速度:ちらつきの速度を指定する値。値が大きいほど早くちらつきます。
ランダムな量:ちらつきのランダム性を指定する値。0で完全に規則的なちらつきになります。
タイプ:「より明るく」「より暗く」「両方」の3パターンからちらつきパターンを選択できます。
イントロ演出用のグランジエフェクト作成方法
シンプルですが、グランジエフェクトを使ったイントロ的な演出の方法を解説します。
まずは、グランジ以外のテキスト、映像素材をタイムラインに配置します。
※映像素材だけでもOKです。
次にトラックマネージャーを使ってエフェクトトラックを用意します。
※ビデオトラックの値を0、オーディオトラックの値を0、エフェクトトラックの値を1にして、OKをクリックします。
用意したエフェクトトラックに「BCC Grunge」をドラッグします。
そして所要時間を大体10フレーム(1/6秒の短さ)に設定します。
※エフェクトを選択→右クリック→所要時間をクリック→右端のフレーム値に10と入力
※30fpsで編集している場合は、5フレーム程度でOKです
そしてエフェクトを選択→修正をクリックしてエフェクトの設定画面を開きます。
そして一番下のオリジナルとミックスの値を増減させて映像に馴染む値にします。
※値が大きいほどエフェクト強度は弱くなります。今回は40増加して140に設定。
続いてフリッカー ONにチェックを入れて、強すぎないちらつきを設定します。
※タイプを「より暗く」にしたり量の値を減らすことでちらつきの強度を抑えることができます。
次にこのエフェクトをコピー&ペーストし連続で表示されるようにします。
※エフェクトを右クリック→コピー。任意の位置で右クリック→貼り付け
※Windows上のコピーのショートカットキー:Ctrl+C
※Windows上の貼り付けのショートカットキー:Ctrl+V
そして2つ目のエフェクトを選択し修正をクリックしてエフェクトの設定画面を開き
Texturesで指定されるテクスチャを1つ目のエフェクトとは異なるテクスチャを選択します。
同じ要領で4つの連続するエフェクトを作成します。
※それぞれで異なるTexturesを指定します。
するとこのような感じになります。
あとは必要な長さに応じて4つのエフェクト群をコピー&ペーストします。
テキスト用:グランジエフェクトの作成方法
テキスト素材に『BCC Grunge:エフェクト』を合わせてグランジ加工を行う方法を解説します。
作成の手順は大きく3つの流れで行います。
グランジ加工の作成手順
①太めのテキストを作成
②BCC Grungeを手順①のテキストに個別適用
③各種パラメータを調整
手順①タイトルデザイナーで太めのテキストを作成
まずは、タイトルデザイナーを使ってグランジ加工用のテキストを作成するので
PowerDirectorのタイトルルーム→デフォルトをタイムラインに配置します。
次に配置したタイトル素材をダブルクリックしてタイトルデザイナーを起動します。
お好みの書体とサイズでテキストを作成します。
※太めの書体がおすすめです
手順②BCC Grungeを個別適用
続いて手順①で作成したテキスト素材に
『BCC Grunge』というグランジ加工ができるエフェクトを個別適用します。
PowerDirector→エフェクトルームを開いて
『サードパーティ』の中にある『BCC Grunge』をテキスト素材にドラッグします。
※BCC Grungeはwin版:PowerDirector 365 / Ultimate以上に搭載
するとテキスト素材にBCC Grungeが個別適用され、グランジの質感に加工されます。
個別適用後の注意点
テキスト素材を選択するとエフェクト効果が消える場合がありますが、
『テキスト素材』を選択→『エフェクト』をクリックすることでエフェクト効果が見えるようになります。
手順③各種パラメータを調整
最後にパラメータを調整してお好みのグランジ加工にしていきます。
※パラメータが複雑な点にご留意ください。
まず先にオリジナルとミックスの値を0に
パラメータを細かく調整する前に一番下にあるパラメータの『オリジナルとミックス』の値を0にしておいてください。
オリジナルとミックスを『0』にしておくとパラメータで設定したエフェクト効果が最大限適用されます。
※テキストに色がついていたりする場合は、ミックスの値を調整して合成します。
Textures:テクスチャを選択
『テクスチャーを使用』にチェックを入れることで
グランジ加工に使用するテクスチャを選択することができます。
ここでお好みのテクスチャを選択します。
テクスチャ例
ミックスを適用
テキストとテクスチャにおける合成方法と強度を調整できます。
※選択したテクスチャをそのまま使用したい場合は『ノーマル』で『ミックスを適用:200』
色
素材元(ここでいうテキスト)の色を指定することができます。
※濃淡色で色を指定+濃淡の量で強度を調整(200が最大強度)
色をつかわないならOFFでOKです。
エロージョン
侵食強度のことで、指定したテクスチャの色がついている部分を侵食部としてかすれさせることができます。
※量の値で強度調整します。200が最大侵食強度
使用テクスチャ:VV BlackandWhiteGrunge 03
色:ON、グレー
エロージョン:ON、111
X軸方向スケール:10
位置XY:修正→位置を微調整
エロージョンをONにする場合は、
背面にカラーボードを配置したりするとかすれている部分が強調されておすすめです。
かっこいいグランジデザインのテキスト作例集
作例1:シンプルグランジテキスト
こちらは白のテキスト素材にぼかしの強度の強い境界線をつけたシンプルなグランジテキストの作例です。
白のテキスト素材に境界線をつけてからBCC GrungeとBCC Drop Shadowを適用して作成します。
テキスト素材の作成:フォント設定
・塗りつぶし種類:単一色
テキスト素材の作成:境界線設定
・サイズ:5.0~10.0
・ぼかし:2~15
・不透明度:100%
・塗りつぶし種類:単一色
テキストが作成できたら、BCC GrungeとBCC Drop Shadowを個別適用しパラメータを調整します。
BCC Grunge:パラメータ設定
・Textures:LT Gallery 2
・ミックスを適用:200 /『スクリーンをスケール』
・エロージョンON:『量90』『柔らかさ0』『スムーズさ0』
・オリジナルとミックス:0
BCC Drop Shadow:パラメータ設定
・ソース不透明度:200
・シャドウ強度:200・シャドーの長さ:0
・シャドーのソフトネス:17
作例2:映画タイトル風グランジテキスト
製品版PowerDirector 20 Ultimate以上 / Win版 365に対応
こちらはグラデーションとBCC Grungeをかけ合わせた映画風グランジテキストの作例です。
テキスト素材にグラデーションをかけてからBCC Grungeを適用して作成します。
テキスト素材の作成:フォント設定
・グラデーションカラー、文字ごと
・グラデーション種類『リニア線形』
・グラデーションの分岐
・グラデーションの方向:270°
テキスト素材の作成:境界線設定
・サイズ:0.1
・ぼかし:0
・不透明度:40%
・塗りつぶし種類:単一色
テキスト素材の作成:シャドウ設定
・距離:0.0
・ぼかし:3
・不透明度:100%
テキストが作成できたら、BCC Grungeを個別適用しパラメータを調整します。
BCC Grunge:パラメータ設定
・Textures:LT Gallery 3
・ミックスを適用:200 /『スクリーンをスケール』
・グロウ ON /『強度80』『閾値120』『レイディアス20』
・オリジナルとミックス『100』
管理人コメント(まとめ)
BCC Grungeをテキストに個別適用するとお手軽にかっこいいグランジ加工ができますので
色々とテクスチャなどを変えて試してみてください。
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