製品版PowerDirectorに対応
※動画速度を変えられるバージョンで作成可能です
今回は動画速度変更機能を使って場面をつなげる
いわゆる『スピードランプ』のようなトランジションを設定する方法をご説明いたします
スピードランプってなんぞ?
適切な意図を持って映像の速度を早くしたり遅くしたりする(いわゆる緩急をつける)ことで映像に迫力をもたせる技法のこと。
今回はこのスピードランプという技法を使って場面転換演出を施します。
演出自体は簡単ですが、動画速度を変更するので他トラックの素材の扱いにご注意ください。
あと、再生倍率が大きくなる(倍速化)とその分プレビュー時にかかる負担も大きくなりますので
場合によっては倍速化した部分を『範囲出力して置き換える』などの対処も必要になります。
『倍速トランジション(スピードランプ)』の作成方法
今回は過去バージョンのPowerDirectorでも設定できるように
ビデオスピードデザイナーの『可変速』機能だけを使ってトランジション演出を作成します。
作成の流れ
①映像素材(A)の終わり部分の動画速度を変更する
②映像素材(B)の始まり部分の動画速度を変更する
まず、大まかな作成手順の流れについてですが2つの映像(A+B)をタイムラインに配置し
動画素材A(前にある素材)の終わり部分の動画速度を10倍速くらいに設定します。
対して動画素材B(後ろにある素材)の始まり部分の動画速度を10倍速くらいに設定します。
こうすることでAの素材で加速させた部分とBの素材で加速させた部分で
速度を倍速化させながらトランジションを行うことができる、という感じになります。
それでは以上の流れを詳しく解説していきます。
手順①映像素材(A)の終わり部分の動画速度を変更
まず場面転換に使用する2つの映像素材をタイムラインに配置します。
そして前方に配置してある動画素材(A)を選択し『ツール』→『動画速度』→ビデオスピードデザイナーを起動します。
次に編集モードを『選択した範囲』に変更し
作成場所はどこでもいいので『タイムシフトの作成』をクリックします。
するとタイムラインに黄色い枠(タイムシフト)が出力されるので
終りの部分を倍速にするために右端まで黄色い枠をドラッグします。
次に、この『タイムシフト』を選択した状態で『可変速』を10倍程度に設定します。
※速度倍率は映像の動きの速度によってお好みの倍速にしてください、例えば通常よりもスローな映像でしたら20倍~30倍程度
適切な速度倍率(ここでは10倍速)が決まったら
黄色い枠の左側をドラッグして0,5秒程度になるように調整します。
調整方法は、黄色い枠の左側をドラッグして『所要時間』の部分が30フレーム(60FPSの場合)にするだけでOKです。
※PowerDirectorのプロジェクト設定が30FPSの場合は15フレームでOKです。
手順②映像素材(B)の始まり部分の動画速度を変更
続いて、タイムライン後方に配置した動画素材(B)の動画速度を変更していきます。
※手順はA素材とほぼ同じですが、タイムシフトの位置が逆側の左端になります
後方に配置してある動画素材(B)を選択し『ビデオスピードデザイナー』を起動します。
続いて編集モードを『選択した範囲』に変更し『タイムシフトの作成』をクリックします。
するとタイムラインに黄色い枠(タイムシフト)が出力されますが
動画素材(A)とは逆の始動部分を倍速にするため、黄色い枠を左端までドラッグします。
そして『タイムシフト』を選択した状態で『可変速』を10倍程度に設定します。
適切な速度倍率(ここでは10倍速)が決まったら
黄色い枠の右側をドラッグして0,5秒程度になるように調整します。
すると動画素材Aの終わり部分が10倍速化しつつ
動画素材Bの始まり部分の10倍速に繋げるようなトランジション演出になります。
編集が重たくなる場合:範囲出力して置き換える
再生倍率が5倍以上くらいになるとプレビューがカクついてしまうことが多くなるので
気になる方は倍速化した部分を『範囲出力』して素材を置き換えてみてください。
まず、トランジションさせる映像以外が映らないように『トラックの表示/非表示』を調整します。
※トランジションの映像素材だけが表示される感じでチェックを入れます
そして、『タイムライン』上の『黄色いマーカー』を使用して倍速化した部分を範囲指定します
続いて上にある『範囲の出力』をクリックします。
あとは編集しているプロジェクトに合うように出力設定をして動画を出力します。
動画が出力できたら、範囲指定した部分の映像素材を削除して
→
先程範囲出力した素材を元の位置に配置するだけでOKです。
総括:PowerDirectorでオシャレなVlog風に場面をつなげる方法
いかがでしたでしょうか
映像の動きでトランジションさせるのではなく
速度を倍速化を合わせてトランジションさせるので、通常のトランジションとは一味違った演出になります。
欲を言えばAとBの映像素材のカメラワークを合わせると抜群にオシャレになると思いますが
編集する段階ではどうすることもできないので、なかなか上級者向けになるとは思います。
※自分でカメラワークを逆算して録画する等の手間が必要になります。
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