製品版PowerDirector Ultimate (win版 365)に対応
この記事ではPowerDirectorのBCC Film Damage エフェクトを使って作れる
シネマティック風のカメラシェイクトランジションの作り方を紹介します。
※参考にした映画作品はトランスポーター3の回想シーン
使用するエフェクト
BCC Film Damage エフェクト、動画速度変更、ブレンドモード機能使用
今回の解説では下記の3つの機能を使用します。
使用エフェクト:BCC Film Damage
PowerDirector Ultimate (win版 365含む)以上に搭載されているBCC Film Damageエフェクトを使用します。
予めお使いのPowerDirectorのエフェクトルームに
当エフェクトが搭載されているかどうかをご確認ください。
使用機能①動画速度変更
BCC Film Damageのエフェクトを掛ける部分には動画速度を倍速に設定します。
Ver.21では、編集→動画速度から動画速度を変更することができます。
※旧バージョンの場合は『パワーツール』
※Ctrlキーを押しながら素材をドラッグすることでも動画速度を変更することができます。
使用機能②ブレンドモード機能
複製して拡大した映像を元映像に重ねて合成する際にブレンドモード機能を使用します。
ブレンドモードは、編集→ツール→ブレンドモードから設定可能です。
※その他にも素材を右クリック→動画の編集→ブレンドモードの設定から変更可能です。
カメラシェイクトランジションの作成手順について解説
ここからは今回の作例であるカメラシェイクトランジションの作成方法について解説します。
手順① 2つの異なるシーンを配置 & 一部シーンをカット
まずタイムラインに場面を転換させる2つのシーンを配置します。
次に前方 or 後方のどちらのシーンでカメラシェイクのトランジションを作るのかを決めて
任意の方の場面転換部(前方の素材なら終わり部分 / 後方の素材なら始まり部分)を2秒程度の時間でクリップを分割します。
※今回は前半の素材の終わり部分を2秒の時間でカットします。
まず、前半 or 後半の場面転換部が2秒になる位置に赤いタイムラインバーを置きます。
そして『選択したクリップを分割』をクリックして素材を分割します。
手順②動画速度を変更 & 複製
次に手順①で分割した部分の動画速度を倍速に変更&複製して合成していきます。
まず、手順①で分割した部分の動画速度を2倍速に設定します。
手順①で分割した素材シーンを選択し、編集→動画速度をクリックします。
ビデオスピードデザイナーが起動したら、可変速の値を2.0にしてOKをクリックします。
すると指定のシーンが2倍速になるかと思います。
※動画速度を変更する別の方法として、Ctrlキーを押しながら素材をドラッグする方法があります。
※その方法を使用する場合は、Ctrlキーを押しながら2秒の素材が1秒になるようにドラッグして空いた隙間を下記画像になるように詰めてください。
次に動画速度を変更した素材を右クリックして
『動画と音声をリンク/リンク解除』をクリックし映像と音声のリンクを解除します。
※動画部分だけを選択できるようにします
リンクを解除して動画部分だけが選択できるようになったら、動画部分を右クリック→『コピー』します。
そして、前面のトラックに『貼り付け』を行います。
※トラック上の縦軸で完全に重なる位置でOKです
手順③複製した素材を拡大しスクリーン合成
手順②で複製した素材が前面トラックに配置できたら、
素材をダブルクリックしてPIPデザイナーを起動します。
続いて左メニューの『オブジェクトの設定』内にある『拡大/縮小』の値を2.0程度に拡大します。
※『拡大 / 縮小』の値自体はお好みでOK
そして『オブジェクトの設定』内にある『ブレンドモード』をスクリーンに変更します。
あとは元動画の映像と照らし合わせて違和感のない位置にドラッグして位置を設定します。
位置が決まったらOKをクリックします。
手順④BCC Film Damageエフェクトを適用して調整
最後に手順③素材に『BCC Film Damage』のエフェクトを個別適用し
カメラシェイクのエフェクトを作成していきます。
PowerDirectorのエフェクトルーム→サードパーティを開きます。
そしてその中にある『BCC Film Damage』を手順③の素材に直接ドラッグします。
次にこの個別適用した素材を選択し『エフェクト』をクリックしてエフェクト設定画面を開きます。
エフェクトの設定画面内にある項目を『BCC Film Damage』になっているのを確認し
『フリッカーON』と『シェークON』のみにチェックが入っている状態にします。
そしてシェークONに含まれる3つのパラメータの値をそれぞれ20~30くらいの値に設定します。
※縦の揺れである『Y』の値を大きめにするのがおすすめです。
補足:場面転換時に違和感がある場合は白のカラーボードを一瞬だけ表示
手順④の際に違和感がある場合は、
白のカラーボードを1~2フレームの一瞬だけ表示するようにするのがおすすめです。
PowerDirectorのメディアルームをカラーボードに切り替えて、
白色のカラーボードを場面転換部分にドラッグして配置します。
そして、配置したカラーボードを右クリック→所要時間をクリックします。
続いて所要時間のタイムレコードが表示されたら1~2フレームの値にしてOKをクリックします。
すると場面転換が転換する際に一瞬だけ白い画面になり
違和感なく場面転換が転換してくれるようになるかと思います。
カラーボード使用時の注意点
編集する際のプロジェクトフレームレート:及び書き出し時のフレームレートによっては
白いカラーボードが長く表示されたり、カラーボードが表示されない場合があるので
環境にあわせて白いカラーボードの所要時間を変更してください。