Cyberlink社で販売されている動画編集ソフトPowerDirectorを僕がお勧めしている理由の1つに
『ビデオスピードデザイナー機能が他の動画編集ソフトよりも優れている』という点があります。
ビデオスピードデザイナーとは!
ビデオスピードデザイナーとはPowerDirectorという動画編集ソフトに搭載されている機能で
動画のスピードを早くしたり遅くしたりすることができます。
例えば、アクション性の高いゲーム動画やスポーツの動画などでは
早すぎて動きを目で追いにくい場面の時に視聴者にわかりやすく伝えるために
要所のポイントの動きをスローモーション化させて編集することが多々あります
このスローモーション化させる機能というのは、たいていどの動画編集ソフトにもついていますが
数ある動画編集ソフトの中でもPowerDirectorが頭一つ抜けて高機能なのです
ただ単に動画の速度を変えるだけではなく、尺が決められている中で細かい速度調整をしたい場合に
音声ピッチを保持したまま速度調整できたりとかなり多機能なんです
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もくじ
戦闘系ゲーム動画をスローモーション化させるDEMO
まずは、スローモーション加工を行うことで
このような演出ができるというのをご紹介したいと思います
戦車系シューティングゲーム『World of Tanks』をスローモーション加工してみた
被弾時、爆発時などをスロー加工するのがポイント
シューティング系ゲーム
シューティング系ゲームのスロー加工のポイントは
意外と撃たれた(被弾した)瞬間にスローをかけると迫力が出るのでオススメです
戦車ゲーのように爆発が多いゲームであれば爆発にあわせてスローモーションをかけるのも定番でカッコイイと思います
本格派対人アクションゲーム『For honor』をスローモーション加工してみた
攻撃の当たる瞬間からスロー加工するのがポイント
アクション系ゲーム(1)
近距離型の戦闘アクションゲームなら
攻撃を振った時の最高速度到達地点:いわゆる相手に当たる瞬間をポイントにしてスロー加工をするとめちゃくちゃかっこよく演出できます
全攻撃をスロー加工するとくどくなるので攻撃を絞ってスロー加工の数を調整するのがポイント
『上手い攻撃、勝敗を左右するような捌き』等
本格派アクションゲーム『DarkSouls 3』をスローモーション加工してみた
攻撃を受けたり避けたりする瞬間をスロー加工するのもポイント
アクション系ゲーム(2)
アクション系ゲームでは、受けの部分に焦点を合わせるのもオススメです
例えば、攻撃を紙一重で避けたりする瞬間などです
また、個人的な意見でいえば、攻めたけど失敗して攻撃を受けた!みたいな積極性のある失敗は、全然スローモーションにしてもかっこよかったりします
プレイスタイルにもよりますが、逃げ一辺倒のようなスタイルであればスローモーションする部分はほとんど皆無だと思います
ハンティング アクションゲーム『モンスターハンターワールド』をスロー加工してみた
溜めの大きい攻撃の溜め瞬間をスロー加工する
アクション系ゲーム(3)
ややもっさりしたアクションゲームでは
モーションの大きい溜めた攻撃などがありますが
そういう攻撃の場合は、溜めてから攻撃が当たる瞬間までをスロー加工してもかっこいいと思います
また、スローモーション時の部分は重低音の割合が大きくなるので通常時よりも音声ボリュームを上げるとかなり迫力が出ると思います
※ただしやりすぎには注意してください
TPS:3人称シューティングゲーム『Division 2』をスローモーション加工してみた
引き金を引いた瞬間、リロード時などがスロー加工ポイント
TPS/FPS系ゲーム
TPSやFPS系ゲームではリロードや武器持ち替えの
モーションがかなりかっこいいことが多いので
そういう部分をポイントにしてスロー加工するとかっこよく演出できると思います
撃つ時にスロー加工をしたい場合は、引き金を引いた瞬間からスロー加工をかけると迫力が出ると思います
このように動画速度を変えて迫力を付けたい場合は
ただ単にスローモーションにするのではなく
通常速度と遅い部分(スローモーション化している部分)の緩急をつけることが大事です
そうすることによって動きが見やすくなるだけでなく
本来のスピード感よりもかえって迫力が増したりするからです
基礎知識パート:ビデオスピードデザイナーとは
ビデオスピードデザイナーは
PowerDirector上のパワーツールから起動することができます。
主な機能としては動画の速度を 0.1 倍率 ~ 約100倍率(素材の長さに依存)まで変更することができるというものです
とはいえ、だいたい使う速度幅は、0.2倍率 ~ 5.0倍率くらいまでだと思いますが
他の動画編集ソフトよりも優れている点1.『モーション補完技術』
そしてPowerDirectorが他の動画編集ソフトよりも優れている点として
動画速度を変更するだけでなく
動画速度が遅くなったことによるカクつきを抑える補間技術という機能があります
通常であれば動画速度を遅くすると1秒間におけるコマ数が少なくなるのでカクつくように見えるのですが
この補完技術を適用することで
コマとコマの間の動きを補完することによりある程度のカクつきを防止することができるというものです
他の動画編集ソフトよりも優れている点2.『音声ピッチの保持』
また、PowerDirectorには音声ピッチの保持という機能も備わっております。
通常は動画速度を変化させると、喋っている声が高くなったり低くなったりするのですが
音声ピッチを保持させると、音の高さが変わることなく速度だけを変えることができるのです。
喋っている場面であれば、動画速度を早くすると、声が高くなることなくただ早口になるだけという何気にすごい機能!
例えば、尺が決められている動画を作るときに、ゆっくりしゃべりすぎている部分を自然に早くしたりできるので
私は友人の結婚式の動画(ビデオレター風)を作った時にすごい助かった機能でした。
この機能が備わっているカジュアルな動画編集ソフトは
今の所PowerDirectorしかお目にかかったことがありません。
機能パート:ビデオスピードデザイナーの使い方
それでは実際にビデオスピードデザイナーの使い方を説明いたします
まずはビデオスピードデザイナーを起動します
ビデオスピードデザイナーを起動する
まず、PowerDirectorを起動して速度を変えたい動画を選択し
『ツール』→『パワーツール』→『動画速度』を選択することでビデオスピードデザイナーが起動します。
※2020年8月現在は、『パワーツール』がなくなり『ツール』の中に統合されました
ビデオスピードデザイナーが起動したら
『クリップ全体』の速度を変えるのか
『選択肢た範囲だけ』の速度を変えるのかを予め選んでください
始めは『クリップ全体』で要領を掴むのがおすすめです
可変速:動画速度を変更する
ビデオスピードデザイナーが起動したら、まずは動画の速度を変える設定をしていきます
動画の速度は、上画像の『可変速』の部分で調整しすることができます
1.000が通常倍速となり、2.0だと2倍速、0.5だと通常の半分の速度(ややスローモーション)と言った具合になります
また1.000よりも遅い倍率にする時に
モーション補完技術を使って滑らかにスローモーション化させることができますが
下記で指定された倍率である必要があります
-0.20
-0.25
-0.33
-0.40
-0.50
-0.66
-0.75
-0.80
この提示してある倍率であれば、
歯車マークの『設定』→『補完設定』→『可能時に補完技術を適用する』にチェックを入れることで
補完技術を適用することができ、滑らかにスローモーション加工されるようになります
また動画の速度を変えた際に
音声ピッチを保持するかどうかを同じ『設定』の部分から指定することができます
音声ピッチというのは
通常時よりも加速させると声が機械的に高くなり
通常時よりも減速させると声が機械的に低くなるやつのことです
通常、動画をスローモーションや加速させた後の音声ピッチの扱いは大まかに2つです。
加速させたときなどに音声が聞き取れなければ、音声自体を削除してBGMだけを流す演出をする
減速(スローモーション)させたときに音声を削除せずに、音声ピッチが低くなったままの演出をする
ざっくりこの2つの手法が多いです
動画速度を上げた場合、音声ピッチがそれに比例して高くなり、キンキン響いて耳障りになることがあるので
そういう場合は上の『設定』の部分にある『音声の削除』を選択するとカットしてくれます
そしてスローモーションさせた場合、例えば殴られた余韻みたいな演出をしたい場合は、
ピッチは保持しないほうが絶対にいい(声が低くなり遅くなる)ので、音声ピッチの保持などはしなくて大丈夫かなと思います
音声ピッチの保持はいつ使う?
なら、どういうときに『音声ピッチを保持する』のかというと
早すぎず遅すぎず中途半端な速度変化をする時が最適です
つまり、スローモーションっぽく見せたくもないし、早送りしているような見せ方もしたくないけど
尺の都合上少しだけ早くしたり遅くしたい場合、この『音声ピッチの保持』を使うのです
これが最適な『音声ピッチの保持』の使い方になります
実践パート:実際にスローモーション加工してみる
というわけで、実際にスローモーション加工してみますが
まずは、映像全体の速度を一律で変化させてみます
基礎編:『クリップ全体』を使って一律で速度変更をかける
まず、5秒間のフェンシングの映像素材を配置します
これのクリップ全体の速度を可変してみます
『素材を選択』→『ツール』→『動画速度』とすすめて
『ビデオスピードデザイナー』を起動します
そして『クリップ全体』を選択してから『可変速』を0.500にします
すると半分の速度にスローモーション化されるので動画の長さが5秒から10秒になりました
そして『歯車マークの設定』から『可能時に補完技術を適用する』にチェックを入れて完成です
※モーション補完付き:0.5倍速の動画になっています
応用編:素材を分割して一部だけに速度変更をかける
次にやや力技になりますが、全体ではなく一部だけの速度をスローモーション化したい場合は
遅くしたい部分をあらかじめ分割しておいてから、速度を変更することもできます
まずは遅くしたい部分を上記画像のように分割しておきます
そして先程と同じように、この部分だけを選択して『ビデオスピードデザイナー』を起動してお好みの速度に設定します
今回は緩急をつけたいので先程よりやや遅い0.330(モーション補完が付けられる倍率)に設定します
すると一部だけがスローモーション化することができ
少しだけ迫力を付けることができました
中級編:『選択した範囲』で細かく調整する
次に素材を分割せずに
『ビデオスピードデザイナー』上で自分の指定したいところだけを速度変更する方法になります
この方法では、わざわざ素材を分割せずとも自分で指定した部分だけ速度を変えることができるので
扱いがわかっているととても便利です
※またイージング機能も使えます
ただし、タイムライン上で見るとどこが遅くなっているかわからないので
遅くなっている部分だけにエフェクトを掛けたいという場合には少し不向きになっています
まずは、動画素材を選択して『ビデオスピードデザイナー』を起動します
そして先程とは異なり『クリップ全体』ではなく『選択した範囲』タブを選びます
次に、速度を変えたい部分にタイムラインバー(赤いバー)をセットして
『タイムシフトの作成』を押します
すると『タイムシフトの黄色いボックス』が出力されるので
速度を変更したい部分を指定するように黄色いボックスの長さを調整し、倍速を指定します
するとこの黄色いボックスで囲っている部分だけが指定した速度倍率に変化するようになります
また黄色いボックスを複数作成することもできるので
動画速度を変化させたい部分が複数ある場合は、お好みの数分だけ同じように黄色いボックスを作成していきます
するとこのような感じになります
部分部分だけがスローモーション化されており、いい感じに迫力が出てきたと思います
上級編:『選択した範囲』でイージングを設定する
イージングというのは緩急ということなんですが
『選択した範囲』で『タイムシフトの黄色いボックス』を作成して速度を指定する場合に
所要時間が0.2秒以上ある場合は、『イージング機能』をつけることができます
イージング機能には『イーズイン』と『イーズアウト』があるのですが
それぞれ緩急の付き方が変わります
イーズインでは、通常の1.000の倍率からだんだん指定した倍率に変わっていくので
だんだん遅くなっていくというような緩急をつけることができます
逆にイーズアウトでは、指定した倍率からだんだん通常倍率(1.000)に変わっていくので
だんだん早くなっていくというような緩急をつけることができます
このへんはお好みというか、動きによって相性がありますので
自分で判断しなければなりません
総括:『PowerDirector』のスローモーション機能を使って動画に迫力をつける方法
いかがでしたでしょうか
スポーツ的な動画や戦闘系のゲーム動画だと
スローモーション加工というのはベタな演出になると思いますが
一定速度でかけるというよりは、動き(モーション)によって細かく
スローモーション化させたほうが断然見やすく迫力がでるかと思います
また、普通の動画編集ソフトだと動画の速度は変更できても『PowerDirector』のように
モーションを補完する機能であったり、ピッチを保持する機能はついていないことが多いので
パワーディレクターが特に優れている点の1つだと思います
例えばほぼ同等の動画編集ソフト『Filmora 9』や『Movavi』などにもついていませんので
こういう細かい動画速度の変更などの機能は圧倒的に『PowerDirector』が上回っているかなと思います。
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それではお疲れ様でした!