製品版PowerDirector に対応
PowerDirectorを使う際の各種基本設定について説明していきます。
基本的な使い方については下記ページを御覧ください。
PowerDirector(パワーディレクター)で基本設定を行う
PowerDirectorを起動している状態でウィンドウ上部の歯車ボタンをクリックすると
基本設定ウィンドウが開きます。
※旧バージョンの場合
※2021年以降のバージョンの場合
ここから各種設定を行うことができます。
基本設定画面では左のメニュー項目を切り替えることでその項目にあった設定を表示&変更することができます。
①全般設定
『全般タブ』ではプロジェクト設定や基本的なメイン設定を行うことができ
- ソフトを使う上での基本的な『アプリケーション設定』
- アップデートの挙動を設定する『インターネット設定』
- 使用言語を指定する『言語設定』
この3つのカテゴリーから各種項目を設定することが出来ます。
アプリケーション設定
重要度:
元に戻す回数 (最大):
編集する際の[元に戻す (Ctrl+Z)]の機能の履歴を 最大回数 (0 から 100) を設定できます
※数値を増やすと、より多くの CPU リソースを消費するので数値を大きくしすぎないように注意してください。
重要度:
音声チャンネル:
編集とプレビュー時のプロジェクト中の音声チャンネルの数を選択します
※これはあくまでも編集とプレビュー中のみの設定になり、実際に出力される音声は動画を出力する時に指定した音声チャンネルが適用されます
重要度:
タイムライン フレーム レート:
編集時のfps:フレームレートを指定します。
fpsというのは1秒におけるフレーム数:コマ数のことで数字が大きいほど映像は滑らかになります。
※30fpsなら1秒に30コマ:30フレームということになります
重要度:
ドロップ フレーム タイムコードを使う:
30fps / 60fps NTSC方式を選択している場合
「はい」 を選択することでドロップフレームタイムコードとしてタイムラインを同期します。
※NTSC方式というのは、30fps / 60fpsで構成された動画で主に日本で対応している方式
ドロップフレームとは
「ドロップフレーム」とは、決まった規則でフレームを飛ばすことです。
例えば1秒を30fpsとしている動画と1秒を29.97fpsとしている動画では時間のズレが生じるため、それを修正するための措置のようなものです。
※参考URL→映像情報メディア学会「ドロップフレーム」
- 59.94fps
- 29.97fps
30 / 60 fpsのフレームレートとして編集するなら「いいえ」
59.94fps / 29.97fpsのフレームレートとして編集するなら「はい」を選択します。
重要度:
タイムラインに音の波形を表示する:
タイムライン上に音の波形を表示する場合に選択します。
重要度:
シーンの再構成用にビデオ クリップの連続サムネイルを有効にする:
このオプションを有効にすると、ビデオクリップのシーンが見分けられやすくなります。
※ONにしたほうが場面はわかりやすいですが、少しCPUリソースを食うかもしれません
重要度:
高解像度の動画でシャドウ ファイル (プロキシ ファイル) を有効にする:
有効にすると、指定した解像度以上の動画ファイルを読み込んだ時に自動でシャドウファイルを作成します
※シャドウファイルを作成された動画での編集処理は高速化できますがPCの保存リソース(HDD容量)を消費します
重要度:
シャドウファイルの解像度:
どの解像度を読み込んだ際にシャドウファイルを作成するか、という設定項目です。
下の画像みたいに準備完了になっていればOKです。
準備可能になっていない場合、シャドウファイルを作成する時間が必要になるので
準備完了になるまで、待つ必要があります。
重要度:
一時ファイルの自動削除 (間隔):
一時ファイルを自動で削除する日数)を選択します。手動で削除する場合は、[手動で削除] ボタンをクリックします。
インターネット設定
重要度:
ソフトウェア アップデートを自動チェックする:
自動的にアップデートを表示する場合に選択します
歯車マークの横の『ベルのマーク』が青く光っていればアップデートがあるかもしれません。
言語
重要度:
システムのデフォルト言語を使用する (対応する場合):
表示言語をOSと同じ言語にする場合は、このオプションを選択します。
ユーザー定義:
表示言語を自分で選択することができます。
②編集設定:編集時のソフトの挙動を設定する項目
基本設定の項目を「編集」に切り替えることで、
編集時のソフト挙動を制御する設定を行うことが出来ます。
- タイムライン上での挙動を制御する『タイムライン』
- 動画以外の表示時間という概念がない素材を配置した時の所要時間を制御する『所要時間』
- ショートカットキーを自分用にカスタマイズできる『キーボードキー』
タイムライン:
重要度:
デフォルトのトランジション動作:
2 つのクリップ間に追加されるデフォルトの「トランジション動作」を選択します。
※トランジションとは2つの異なるカット(場面)を自然につなげるアニメーションのことです
トランジションの動作は「オーバーラップ」と「クロス」の2つ選択でき
オーバーラップのほうが綺麗につなげられますが、動作時間に応じてそのトラックだけ時間がズレます。
その点「クロス」であれば、
動画素材の場合は重ねあわせる部分を自動で静止画で補填してくれるので時間が一切ズレません。
重要度:
パン&ズームを適用時に画像間にトランジションを追加する:
画像を並べてパン&ズームを『すべてに適用』した時に、画像間に追加するトランジションを選択する
パン&ズーム機能は、オブジェクトを拡大したり移動させたりできる機能ツールです。
すべてに適用時に、一括してトランジションを設定したい場合にONにします。
重要度:
フリーズ フレームを使用時にエフェクトとタイトルを追加する:
動画素材選択→動画の編集→『フリーズ フレーム』をクリックした時に自動でセピアを適用し、タイトルを追加します。
重要度:
プレビュー後にクリップ/ムービーの開始位置に戻る:
再生の終了後に、再生スライダーをクリップorムービーの開始位置まで戻したい場合に選択します。
重要度:
再生中ムービー モードに自動的に切り替える:
これを選択していると『クリップ』を選択して再生したとしても自動で『ムービーモード』に切り替わります。
『クリップ』と『ムービー』について
選択したクリップの表示時間のみを再生する:『クリップモード』
選択したクリップに関係なくプレビュー再生を行う:『ムービーモード』
重要度:
タイムラインのクリップ位置合わせを有効にする:
タイムライン トラックのクリップを移動中に位置合わせ(青い線がでる)を行う場合に選択します。
※オブジェクトの縦のラインをそろえるときの位置合わせが非常に楽になります。
重要度:※お好み
タイムラインのトラックを逆順にする:
タイムライン上のトラックの重ね順を逆にする項目です。
Adobeを含め、他の動画編集ソフトでは上にあるトラックほど前面に配置される仕様が多いのですが
PowerDirectorではその逆で下にあるトラックほど前面に配置されるようになっています。
その重ね順を逆にする項目です。
他の動画編集ソフトと同じような感じで使いたい場合は逆順にするのがおすすめです。
重要度:
オーディオ トラックのタイムライン スケールを拡大する:
タイムライン上のスケールを拡大するかどうかという項目です。
所要時間:
所要時間の項目では、動画素材と違って決まった表示時間という概念がない素材を配置した時に
デフォルトで何秒表示させておくかをあらかじめ決めておける設定項目になります。
- 画像ファイル:デフォルトで5秒
- トランジション:デフォルトで2秒
- タイトル:デフォルトで10秒
- エフェクト:デフォルトで10秒
- 字幕:デフォルトで10秒
③ファイル設定:読み込みや書き出し場所を指定する
ファイル設定:項目では
『読み込みフォルダー先』や『書き出しフォルダー先』を指定することができます。
デフォルトのフォルダの位置を指定:
重要度:
読み込みフォルダー:
読み込みを選択時のデフォルトのフォルダー位置を指定します。
重要度:
書き出しフォルダー:
書き出す際のデフォルトのフォルダーを位置を指定します。
シャドウファイルなどの一時ファイルもここに作成され、PowerDirector上でマイク録音した時の音声ファイルや
静止画を出力した時の静止画ファイルが『書き出しフォルダー』に保存されます。
ファイル名:
重要度:
取り込む動画名:
PowerDirector上でマイクから録音した時の音声ファイルなどの名前を指定することができます。
重要度:
スナップショット ファイル名:
動画から静止画を作成した時に付けるファイル名を指定できます。
※スナップショット時のファイル形式を選択できます
重要度:
スナップショット保存先:
ファイル or クリップボード or 壁紙(2種類)の4つの中から保存の方法を指定することができます。
『ファイル』は通常の静止画ファイルとして保存されます。
『クリップボード』はWindows上のクリップボードとして一時的に保存されます。
『壁紙』を選択した場合は、Windows上の壁紙として保存されます。
④表示設定:プレビュー画面上での設定を調整
基本設定の項目を「表示」に切り替えることで、
プレビュー画質やプレビュー画面上での設定等を行うことが出来ます。
重要度:
タイムラインのプレビュー画質:
プレビューの画質を選択できます。
画質を高くすると、高画質で高負荷、画質を低くすると低画質ですが低負荷でプレビューできます。
プレビューモード:プロジェクトのプレビュー モードを選択
重要度:
リアルタイム プレビュー:
クリップおよびエフェクトを含めた編集結果としてプレビューします。
重要度:
ノン リアルタイム プレビュー:
音声をミュート、低速度でプレビューを表示するモードで、リアルタイムプレビューよりも低負荷で編集を行うことができます
※リアルタイムプレビューで上手くプレビューできない負荷がかかるときにおすすめです。
重要度:
グリッド枠に合わせる:
下記で設定される『グリッド枠』『TVセーフゾーン』の枠に対して素材位置が自動で調整される設定項目です。
重要度:
TV セーフ ゾーン:
テレビ画面においての考え方『TVセーフゾーン』が素材選択時にプレビュー画面で表示されるようになります。
※TV セーフゾーン:テレビのモニター画面上で正しく表示される範囲を示すエリアのこと。
※参考URL→画面での映像表示に関わるセーフマージンを知ろう(Premiere Elements)
タイトルやテロップなどを表示する際は
このTVセーフゾーンを元にセーフゾーン線上やエリア内にタイトルを作るのが見やすくておすすめです。
重要度:
グリッド線:
プレビュー ウィンドウのみに表示されるグリッド線の数を選択できます。
適切なグリッド数に設定し『グリッド枠に合わせる』設定と合わせることで
オブジェクト(画像や動画などの映像素材)の位置をプレビュー画面上で微調整しやすくなります。
重要度:
デュアル プレビュー:
複数のモニターを接続している時のみ選択可能です。
重要度:
3D ディスプレイの設定:
3D ディスプレイを選択します。
⑤ハードウェア アクセラレーション設定
基本設定の項目を「ハードウェア アクセラレーション」に切り替えることで、
GPUを使った編集ソフト上の設定を行うことが出来ます。
重要度:(ご自分のGPU環境に合わせて)
OpenCL 技術を有効にして、ビデオ エフェクトのプレビュー/表示を高速化する:
デフォルトのOFFだと、CPUに負担が掛かりますが、これをONにすることで
GPUを使った『マルチコア並列処理能力』を利用することができます。
また、これを利用することで一部のビデオ エフェクトのレンダリング(書き出し)を高速化することができます。
ハードウェア デコーディングを有効にする:
編集処理中や動画出力中に、ハードウェア アクセラレーションを使って動画をデコードします。
最適化:
GPU のハードウェア アクセラレーション設定を最適化する場合にクリックします。
また、グラフィックボードのドライバーを更新するたびに最適化するのが良いでしょう。
⑥プロジェクト設定:フリーズ、クラッシュ対策や履歴表示
基本設定の項目を「プロジェクト」に切り替えることで、
プロジェクト履歴やプロジェクトを起動した際の挙動について設定することが出来ます。
重要度:
プロジェクト履歴の表示数:
ファイル→『最近のプロジェクトを開く』で表示される履歴数を指定することが出来ます。
重要度:
PowerDirector起動時に最新のプロジェクトを自動的に開く:
起動した時に、最直近で編集、保存したプロジェクトファイルを開く項目です。
重要度:
PowerDirector起動時にサンプルクリップを自動的に開く:
起動した時に、出てくるサンプル画像(モーターバイクに乗った人)やサンプル動画(スケボーに乗った人)を
読み込むかどうかを設定する項目です。基本的にはOFFでいいと思います。
重要度:
プロジェクトの自動保存(間隔):
ここで指定した時間毎に自動保存されます。
編集時にPowerDirectorがフリーズしたりして適切に保存できなかった時に、非常に助かる自動保存機能になっています。
復元方法について:フリーズ時、クラッシュ時、間違えて保存した時
PowerDirector編集時にフリーズしたりクラッシュした場合や
プロジェクトを間違えて保存してしまった場合は、自動保存先を確認してみてください。
※上記のプロジェクトの自動保存がONになっていることが前提です。
基本設定→プロジェクト設定の自動保存がONになっている場合は、
自動保存先のフォルダを参照することで少し前に自動保存されたプロジェクトを復元することができます。
基本的にはフリーズ後再度PowerDirectorを立ち上げると、最後の自動保存を開くか聞かれますが、
そちらで開く場合は最新の自動保存が開かれ、それ以前の自動保存を開きたい場合は、自動保存先を参照してください。
すべてPdsファイルで保存されているので
開きたいプロジェクトファイルをダブルクリックするとPowerDirectorが起動します。
PowerDirector起動後は、内容を確認し問題なければ
『名前をつけて保存』から任意の場所に保存して編集を再開するのが良いでしょう。
⑦書き出し:出力時の設定やSVRT設定
基本設定の項目を「書き出し」に切り替えることで、
出力時のノイズ軽減設定やPowerDirector独自のレンダリング技術(SVRT)の設定をすることが出来ます。
SVRTについて
SVRTは、サイバーリンク製品(PowerDirector)で使われるレンダリング技術の名称です。
※SVRT は、可変のフレーム レートが含まれる動画素材には対応していません。
書き出し:
重要度:
ビデオのブロックノイズを軽減する(Intel SSE4 最適化):
編集に使用しているPCがIntel SSE4に最適化対応している場合に、出力される動画の画質を改善します。
ブロックノイズについて
ブロックノイズとは、動画を再生時にモザイクのようなノイズが発生したりする現象のことです。
ストリーミング再生時に電波が悪かったり、出力する動画に割り当てられているデータ量が少ない場合に発生したりします。
重要度:
MPEG-1、MPEG-2、H.264 ソフトウェア エンコーダーを使用時に、映像ノイズを削減する:
MPEG-1、MPEG-2、H.264の動画を出力する時に映像ノイズ除去を自動的に削減するかどうかを指定できます。
h.264 AVC:
重要度:
単一の IDR H.264 ビデオでスマート レンダリング (SVRT) を許可する:
タイムラインが『H.264 AVCコーデック』クリップのみで構成されていて
スマート レンダリング (SVRT) を使って動画をレンダリングする場合に、このオプションを選択します。
WMV:
重要度:
速度モードを適用して WMV 動画を出力する:
『WMV コーデックの動画』をレンダリング時に、速度モードを適用したい場合に選択します
ファイル:
重要度:
書き出し後に、書き出し済みのファイルを素材ルームに読み込む:
ファイルを出力後、書き出し済みのファイルを素材ルームに自動で読み込むかの設定です。
まとめ:『PowerDirector』の作業効率を高める各種おすすめ設定
大体これらの設定の中で
『PCの負荷を軽くする設定』と『作業効率を自分好みに最適化する設定』の2つがあると思いますので
これらの設定を自分の環境及び自分の好みに設定してみてください。
その他、編集時の動作を軽くしたい方や基本的な動画編集については下記記事をご覧ください。