無料版:OpenShotに対応
完全に無料で使える動画編集ソフト『OpenShot:オープンショット』の使い方の解説記事です。
※実際には寄付を募っており、寄付した方はクレジットに名前が載るというシステムで運営されています
少し操作などに癖の強さが出ているソフトですが、
単純な機能を使うだけならシンプルなインターフェースなので簡単な動画を作るのに向いています。
と言いますのは、しっかりしたテキストを作成するには外部ソフトのInkscapeと連動させる必要があるのですが
連動後も毎回Inkscapeを経由するので、テキストを作成する作業がいちいち面倒でかなり時間を消費します
あとキーフレーム機能もついてますが、そのへんも少し使いにくさはあるかもしれません。
OpenShotの特徴
- 無料版においての機能制限はありません
- アカウント等は不要
- OSはLinux、Mac、Windows(64ビットと32ビットに対応)をサポート
- 海外製のソフトですが日本語対応
OpenShotの最小要求スペックは以下を参考にしてください
OpenShot / 動作スペック | |
OS | 64 ビットOS (Linux, OS X, Windows 7/8/10) |
CPUプロセッサー | 64ビットをサポートするマルチコアプロセッサ |
RAM | 4GB (16GB Recommended) |
HDD | インストール用に500 MBのハードディスクスペース |
OpenShot公式サイトからソフトをダウンロード
公式サイトの『v〇.〇.〇をダウンロード』というボタンをクリックしダウンロードページに入ります
ダウンロードページに飛んだら、お使いのOSを選びます
※Linux、Mac、Windowsに対応
お使いのOSをクリックしたらダウンロードボタンをクリックします
ダウンロードが完了したら
ダウンロードしたファイルをダブルクリックしてインストール作業を進めます
※入力する項目はインストール先の指定のみ
ソフトを起動したら...
OpenShotは初めから日本語表記になっていましたので、特に日本語化などの作業は必要なさそうですが
もし英語表記のままであれば以下のやり方で日本語に設定してみてください
日本語に設定する方法
OpenShotの言語設定を変更するには
まず上部メニューの『編集』→『設定』をクリックします。
『設定』ウィンドウが開いたら
『一般』の中にある『言語』を<日本語>に変更することで日本語化することができます
設定の[プロファイル]から初期設定をする
OpenShotを起動したらまずは『設定』のプロファイルから
画面縦横比などの初期設定を済ませておきます。
まず上部メニューの『編集』→『設定』をクリックします。
そして『プレビュー』のタブに切り替えて
『初期設定』から作成したい動画の縦横比+解像度+フレームレートになる設定を選びます。
解像度というのは、映像の細かさ:綺麗さのことで数値が大きいほどきれいになります
※フルHDだと『1920 x 1080』のことを指し、縦横比は一般的な16:9になります。
フレームレートというのは、映像の1秒間のコマ数のことで数値がが大きいほど滑らかになります
※一般的なフレームレートは30fps、アクション動画などの滑らかなフレームレートなら60fps、映画の非日常的な質感なら24fps
OpenShot / オープンショットの使い方
OpenShotを起動するとこのようなインターフェース(画面構成)が表示されます。
- プロパティウィンドウ(左):動画などの素材(クリップ)を選択した際にプロパティなどを調整する画面
- プレビューウィンドウ(右上):編集した動画や素材などを映像確認する画面
- タイムラインウィンドウ(下):動画や画像や音楽などの素材を並べて動画編集を行う画面
これらのウィンドウを適切に使って動画編集を行っていきます。
①プロジェクトの作成
OpenShotはソフトを起動した時点で『無名のプロジェクト』が開かれた状態から始まります。
ここから動画編集をすることができますが、
まずはプレビュー設定を確認し、プロジェクト名を決めて保存してから動画編集を始めるのがおすすめです。
プレビュー設定の確認は、上部『編集』の『設定』から確認できます。
初期設定で指定した映像設定がプロジェクト設定に反映されます。
プロジェクト設定が確認できましたら
『ファイル』→『プロジェクトを別名で保存』と進めてプロジェクトを保存しておいてください。
②編集したい動画をOpenShotに取り込む:インポート
プロジェクトの設定が確認できたら、実際に動画編集を行っていきますが
編集をする素材をまずはOpenShotに取り込んでいきます。
※編集する素材には、動画や画像、音楽素材などがあり、動画編集では素材のことを総称して『クリップ』と呼びます
まず、プレビュー画面のタブを『プロジェクトファイル』に切り替えて
編集したい素材をそのまま画面上にドラッグすれば取り込むことができます
③必要なシーンだけを残して切り出す:トリミング
編集する動画が取り込めたら必要なシーンだけを残して不要なシーンを削除していきます。
その際に使用する機能が『クリップ分裂』機能です。
『クリップ分裂』機能というのは、動画の中で必要な1シーンだけを残して切り出す
いわばトリミングのような機能になります。
取り込んだ動画素材を右クリックし『クリップを分裂』をクリックします。
すると『クリップを分割』ウィンドウが開きます。
そして、ここで必要な場面を残すように始点と終点を指定します
※1つの動画の中の「ここ(開始)からここ(終了)まで」というイメージです
開始と終了が指定できたら、クリップの名前を入力して『作成』をクリックします
するとこのように1つのクリップとして動画クリップとして出力されます。
ここでは同じ要領で必要なシーンを7パートに分けて作成しておきます。
これらを下のタイムラインウィンドウの『トラック1』に順番に並べていきます。
※下記画像参照
するとこのような感じに仕上がります
④タイトル(テキスト)を作成
次に動画に簡単なテキストを作成してみます。
上部メニューの『タイトル』→『タイトル』を選択します。
そして表示されるプリセットの中からお好みのものを選択します。
※ここでは一番シンプルな『スタンダード1』を使います
そして1行目と2行目にお好みの文字列を入力し、お好みのフォント、お好みの色に変更します。
続いて『背景色』をクリックして『アルファチャンネル』を0にしてOKを押すと
背景を透過させてテキストだけの表示にすることができます。
最後にお好みのファイル名にして保存と押すと
動画等を取り込んだプロジェクト画面にテキスト素材が取り込まれます。
あとはタイムライン上の重ねたい動画素材の前面トラック(ここではトラック2)にドラッグすると
テキストを表示することができます。
あとはテキスト素材の右端をドラッグするなどして表示時間を設定すればOKです。
ただし、OpenShotの標準機能ではテキストはほとんどオシャレに装飾することができないという点にご注意ください。
テキストを大きく自由に編集したい場合は、
外部ソフトの『Inkscape』と連動させれるので、そちらを使って素材を作成するのがオススメです。
⑤音楽を追加する
自分で用意したBGMを動画に追加したい場合は、
動画素材と重ねるように別のトラックに音楽ファイルを配置するだけでOKです。
まず、プロジェクト画面に用意したBGMを取り込みます。
そしてタイムライン上の動画素材のシーンと重ねるように
別のトラック(ここではトラック3)にドラッグします。
あとは要らない部分をトリミングするために
配置した音楽ファイルの右端をドラッグして長さを動画に合わせます。
音量の調節方法
音量の調節は、BGM素材を右クリック→[ボリューム]から調節できます
全体の音量を一括で調節したい場合は
『クリップ全体』のレベル%をお好みの値に指定します。
フェードの設定方法
音楽などのBGM素材は
『途中から始まる場合はフェードイン、途中で切れる場合はフェードアウト』を設定するのが一般的です。
※ここでは途中で切れるBGMにフェードアウトを設定
先程トリミングしたBGM素材を右クリックし
『ボリューム』→『クリップ終端』→『フェードアウト(遅い)』をクリックします。
これだけで音楽ファイルにフェードアウトを設定することができます。
※同様にフェードインを設定したい場合は、『クリップ開始幅』の『フェードイン』をクリック
⑥トランジションを設定
最後の仕上げとしてシーンが切り替わる時のエフェクト効果「トランジション」を設定します。
トランジションというのは定番なものですと
時系列が大きく変わるときに黒い画面から映像がフェードしてくる演出などがあります。
※トランジションは、シーンの開始地点、シーンの終了地点、シーンとシーンの境目に設定することができます
今回は、映像が始まる時に『フェード』のトランジションを設定します。
まず、上部メニューの『表示』→『ドック』→『トランジション』にチェックを入れます。
するとトランジションウィンドウが開きますので
この中でお好みのトランジションをシーンの頭にドラッグします。
そしてこの水色のウィンドウがトランジションのアニメーション時間になりますので
終点部分をドラッグしてお好みの時間に調整します。
あとは動画の終わりにも同じ要領でトランジションを設定しますが
消えていくトランジションを設定する場合は
水色のトランジション部分を右クリックして『トランジションの反転』をクリックします。
こうすると緩やかに消えていくトランジションにすることができます。
⑦動画の書き出し:エンコード
タイムライン上で動画の編集が完了したら、1つの動画ファイルとして書き出します。
※動画編集では1つの動画ファイルに出力することをエンコードといいます
編集が終わったら上部にあるアイコン『動画を書き出し』をクリックします。
『動画を書き出し画面』が開いたら『ターゲット』『映像のプロファイル』『品質』を指定します。
※ターゲットは特に指定がなければデフォルトのMP4(h.264)でOKです
※映像のプロファイルは解像度やフレームレートを指定する項目なので書き出したい設定にします。
※品質は画質設定になりますが、品質が高いほどデータサイズは大きくなります
3つの項目が指定できたら
保存先と保存名を確認し『動画を書き出し』をクリックすると書き出しが行われます。
OpenShot でよくありそうなQ&A
OpenShotでよくある疑問や問題点などをQ&A方式で答えさせていただきます
OpenShotで作成した動画をDVDに焼くことはできる?
残念ながら、無料の動画編集ソフトのほとんどはDVDに焼く機能を備えていないことが多く
OpenShotも例外ではありません。
ただし、OpenShotで出力した動画を、別の無料のオーサリングソフトを使ってDVDに焼くことはできると思いますので
『フリー オーサリングソフト』と調べていただけますと幸いです。
OpenShotで映像を華やかにする方法はない?
OpenShotはエフェクトやトランジションでなかなか華やかに仕上がるソフトではありません。
なので、エフェクトやトランジションに頼るのではなく
背景が透過された映像素材などを動画に合わせて使うとある程度はオシャレに魅せることができると思います。
※下記DEMO参照
余談ですが、当サイトで無料公開&販売しているmov形式の映像素材を使っていただければ
ある程度画面を華やかにすることができますので、よろしければご確認ください。
総括:OpenShot VideoEditorの使い方
OpenShotは1つの動画ファイルとして出力するまでの基本的な機能は揃ってるんですけど、
いかんせん、テキストの編集能力が低いのが悩ましいところです。
動画のクオリティはどうしてもテキストのデザインで決まってくる部分も多いので
もう少しテキストのデザイン能力が高い(時間がかかりにくく編集の自由度が高いモノ)動画編集ソフトがオススメかなと思います。
シンプルにカットして動画を出力するくらいでしたら十分に可能です。