今回はPowerDirectorに備わっているタイトルを作成する機能『タイトルデザイナー』のキーフレーム機能を使って
アニメーションテキストを作ってみたいと思います。
キーフレーム機能って?
アニメーションの中で変化がつけられているフレームのことです
オブジェクト(モノ)の形や位置の変化するポイントを指定することで時間経過による変化を作り出すことができます。
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PowerDirectorはキーフレーム機能が他の動画編集ソフトよりも優れているので
繊細なアニメーションテキストを作ることが可能です。
どこが優れているのかというと、PowerDirectorのキーフレーム機能にはイージングと呼ばれる緩急をつける機能が備わっているためです。
イージングって?
キーフレームで作成したアニメーションの動きに加減速を加えて緩急をつけることです。
一定のスピードで動くモノは機械的に見えるのに対し、加減速のある動きのモノは自然的に見えます。
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PowerDirectorではタイトルなどのテキストを作成する時に『タイトルデザイナー』というツールを使って作成します。
この『タイトルデザイナー』というツールの中にキーフレーム機能が備わっています。
そしてそのキーフレーム機能で設定できるテキストの項目は
・位置
・拡大/縮小
・不透明度
・回転
この4つになり、不透明度以外のパラメータでは、イーズイン・イーズアウトの緩急機能が使えます。
イーズイン・アウトのありなしの比較動画
どちらのアニメーションもキーフレーム上のパラメータは同じですが、
上のテキスト(:イーズインとイーズアウトを設定している)と
下のテキスト(:イーズインとイーズアウトを設定していない)では
アニメーションの動きに違いがでているのがわかると思います。
この緩急を与えられるのがイージングと呼ばれる機能であり、
1万円前後の動画編集ソフトでこの機能がついているのはかなり珍しいのです。
もくじ
繊細なテキストアニメーションの作り方
ここからは実際に繊細なアニメーションをするテキストを作っていきます。
ここでいう『繊細な』というのは、緩急をつけたり、テキストを分割し動きズラしたりさせることです。
キーフレームでアニメーションを設定した上で、イージングという一手間をかけて
オシャレに仕上げようではないか!という魂胆です。
アニメーションその1.『位置変更 x 分割アニメーション』
シンプルにテキストが横に移動するアニメーションです。
理論的な言い方をしますとA地点からB地点に移動させるアニメーション、ひいては位置を変更するという意味を込めて
『位置変更アニメーションテキスト』とここでは呼ばせていただきます。
このアニメーションのポイントは、イージングをかけるだけでなく
3行のテキストを3つに分割してそれぞれにキーフレームの移動アニメーションをつけているところです。
イーズインとイーズアウトを設定するのはもちろんですが
キーフレームのパラメータを調整し、3つのタイトルがほぼ同じアニメーションの動きをしていながらもズレた動きをさせるのがポイントです。
これにより、1つのタイトルに1つのアニメーションを設定するよりも
奥深い繊細なアニメーションにすることができます。
キーフレーム設定
1.タイトル:
1つ目のキーフレーム位置 (X -0.317 Y 0.200):イーズアウト (0.4)、2つ目のキーフレーム位置 (X 0.226 Y 0.200):イーズイン (0.4)
2.タイトル:
1つ目のキーフレーム位置 (X -0.411 Y 0.367):イーズアウト (0.4)、2つ目のキーフレーム位置 (X 0.157 Y 0.367):イーズイン (0.4)
3.タイトル:
1つ目のキーフレーム位置 (X -0.416 Y 0.465):イーズアウト (0.4)、2つ目のキーフレーム位置 (X 0.168 Y 0.465):イーズイン (0.4)
それぞれのキーフレームの位置はこのようになっています。
特徴としては、テキストが横移動する距離はすべて同じですが、移動にかける時間(スピード)に違いをもたせています。
例えば1つ目のタイトルでは1秒かけてA地点からB地点まで移動するのに対し
2つ目のタイトルでは1.30秒かけてA地点からB地点まで移動し
3つ目のタイトルでは2.00秒かけてA地点からB地点まで移動しています。
これが繊細なアニメーションを作るための動きの『ズラし』とここでは呼ぶことにします。
アニメーションその2.『拡大/縮小変更アニメーション』
大きいテキストからぎゅっと小さいテキストに変化するアニメーションです。
さらに繊細にアニメーションさせるために
ぎゅっと小さくなるアニメーションの前後にも緩やかに大きさが変更されるアニメーションを適用しています。
ピタッとアニメーションが止まるよりは緩やかに止まっていくほうが繊細なアニメーションになります。
1.タイトル:
1つ目のキーフレーム (幅+高さ 8.0):イーズアウト (0.4)
2つ目のキーフレーム(幅+高さ 7.0):イーズイン (なし)
3つ目のキーフレーム (幅+高さ 0.6):イーズアウト (なし)
4つ目のキーフレーム(幅+高さ 0.55):イーズイン (0.4)
このへんはイーズインとイーズアウトの設定が難しくなります。
すべてのキーフレームにイージングをつけるとくどい緩急になりますので
どういうアニメーションにしたいかをイメージして最小限の緩急で仕上げるのが大事だと思います。
アニメーションその3.『不透明度変更アニメーション』
キーフレームで細かく不透明度を変更させると
このように点滅っぽいアニメーションにすることもできます。
不透明度のパラメータではイーズインとイーズアウト機能が使えないので、緩急をつけることができません。
ですが、不透明度に関しては緩急がなくてもそこまで気にはならないかなとは思います。
動きに緩急をつけるのはわかりやすいのですが、そうじゃない場合は認識しにくいのだと思います。
1.タイトル:
1つ目のキーフレーム (不透明度 19%)
2つ目のキーフレーム (不透明度 82%)
3つ目のキーフレーム (不透明度 14%)
4つ目のキーフレーム (不透明度 100%)
大体こんな感じですが、4つ目のキーフレームの位置を0.15秒にしているところ以外は適当です。
ざっくり1個目の数値が小さい、2個目が大きい、3個目が小さい、4個目が100%という数値にすると点滅系のアニメーションとして成立します。
交互に0%と100%で設定してもいいし、あえてざっくりした数値にするのもアリです。
アニメーションその4.『回転角度変更アニメーション』
回転に緩急(イーズインとイーズアウト)をつけたアニメーションになります。
これが一番緩急をつけるのが難しい気がします。
適当にイーズインとイーズアウトをつけまくると、回転の動きを阻害する動きになりがち!
1.タイトル:
1つ目のキーフレーム (回転 17,53 ):(イーズインなし、イーズアウトなし)
2つ目のキーフレーム (回転 0 ):(イーズインなし、イーズアウトなし)
3つ目のキーフレーム (回転 -360 ):(イーズイン 0.4、イーズアウトなし)
4つ目のキーフレーム (回転 -382.11 ):(イーズインなし、イーズアウトなし)
5つ目のキーフレーム (回転 -720.00):(イーズイン 1.0、イーズアウトなし)
ざっくり仕上げてみた感じですが、イーズアウトが少し回転の妨げになるので相性が悪いです。
イーズインは、早い回転を止めるキーフレームで設定するといい感じかなと思います。
総括:『PowerDirector 18』での繊細なアニメーションテキストの作り方
いかがでしたでしょうか。
PowerDirectorは動画編集ソフトの中でもこういう繊細なアニメーションを作成するのが得意なので
手間をかければかけるほど奥深いアニメーションを作ることができます。
ちなみに緩急をつけれる有名ソフトは『Adobe premior / AE』などの敷居の高いソフトなどで
『Filmora』や『Movavi』にはキーフレーム機能こそありますが緩急をつける機能はありません。
もしこういう繊細なアニメーション(テキスト以外の画像などでも可能)を作りたいのであれば
PowerDirectorはかなりおすすめかなと思います!
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